車のボディにできた小さなヘコミのことをDent=デントといいます。
一口にデントといっても、そのヘコミの種類は多種多様ですよね。

何が当たったか?衝撃の強さは?力が加わった方向は?その状況によってサイズや形状、深さは様々です。そのデントをなおすのが、デントリペアですが、板金塗装とどのように違うのでしょうか?

それをご説明するには、デントリペアがどのような修理方法なのかを説明する必要がありますね。

<デントリペアの歴史>

デントリペアの正式名称はペイントレス・デントリペア(Paint-less Dent Repair)です。その名の通り塗料やパテをぬることなくヘコミを修復する技術です。日本語になおして、無塗装板金という呼び方もするようです。

近年になってアメリカから上陸した最新の自動車特殊技術で、車にできた小さな凹みを短時間、低コストで復元できる技術です。ヘコミを裏側から専用特殊工具で丁寧に押し戻すことにより、歪みまでコンロトールし、とても綺麗に直せるのが特徴です。その仕上がりは査定士が見ても発見することができない程です。

また、塗装しないで修復するので、従来の方法に比べ、とても早く修復が完了し、かつほとんどのケースで板金塗装よりも費用が安いのです。

そして、このデントリペア技術による修復ができる人が、デントリペア屋さんです。

<デントリペアとはどのような修理方法なの?>

デントリペアに使うメインの専用特殊工具(以下、ツールと呼びます)は、ステンレスまたは炭素鋼でできた様々な太さ、形状の棒です。棒には手で持つための握りの部分(グリップ?)があります。

この棒状のツールを使って車のボディにできたヘコミの裏側から丁寧に押し上げていき、ヘコミを直します。表面は素人がみても(ほとんどのケースにおいてプロが見ても)わからにほど、きれいに元の形に戻されます。

デントリペア屋さんは、ヘコミを修理するとき、ライトを使ってヘコミを照らしながら作業しています。裏側からヘコミ付近をツールでそっと押すとボディ表面がわずかに変化します。光をあてているとツールの先端がどこを押しているかわかりやすくなるのです。適切な場所にツールの先端を移動して、適切な力で少し押し戻して・・・を繰り返して、少しづつ、ヘコミの形をもとに戻していきます。

ボディ表面を見ながら作業するのですが、ツールの先端がどこを押しているのかを正確に判断できるようになるのがデントリペアの技術者が最初に覚えるスキルのようです。次に高い精度で自在に道具の先端が押している場所を移動できること、適切な力でボディのヘコミを押し戻すこと・・・など練習に練習を重ねて、ようやく小さくて浅いヘコミがなおせるようになります。深さや大きさ、場所、ボディの素材(鉄板、アルミ、高張力鋼板など)によって難易度も違ってきます。

ずいぶんと練習が必要な技術なので、素人が見よう見まねで覚えるのは大変です。Amazon、楽天、ヤフオクなどで様々なデントリペアの道具が販売(出品)されていますが、道具によっては大変な練習と知識が必要なものもあるので、自分の車のヘコミをなおす目的でしたら、その購入費用(または購入費用+アルファ)でなおるかもしれないので、お近くのデントリペア屋さんを探して相談&見積取得したほうがよいと思われます。

値段が安いからと道具を購入して自分の車でヘコミ修理を練習すると・・・・ご自分の車がとんでもないことになるかもしれませんよ。

ちなみに、裏から押すのは大変な技術力が必要ですが、素人でもできるかもしれない方法もあります。そうしたものも、随時ご紹介していきます。